ポリアミンは癌を作る?

 

前回「ビオチンは過剰摂取より不足した時怖い物質」で、バンビウィンクの主成分の1つ・ビオチンについて考えましたが、今回はもう1つの主成分であるポリアミンについて見ていきたいと思います。

 

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ポリアミンは、全ての細胞内で作られる、細胞の増殖に深く関連している物質です。このポリアミンを作る能力は、年を取るにつれ減少します。「老化はポリアミンを自分の細胞で作れなくなることから始まる」という説まであり、そのため、この物質を健康維持に必須のものであると考え、アンチエイジングの研究をしている機関も存在します

また、このポリアミンの重要な役割の1つとして抗炎症作用が挙げられます。

本来、炎症反応というものは生体を守るために起こるものですが、それが老化によって暴走することが多くなっていきます。小さな炎症が継続的に生じる慢性炎症は老化の主要因とも考えられているので、どんどん老化が進むというわけです。

炎症は、自己免疫系により炎症性サイトカインが分泌されることで起こりますが、ポリアミンはこの過剰な分泌を抑制することが知られています。この点でもアンチエイジング効果が見込めるというわけです。




また、ポリアミンの特徴として、「全生物が持つ」ということが挙げられます。

これは「哺乳類なら」ということではなく、微生物まで含めた本当に全ての動植物が持つ物質だそうです。学生時代、「生物」が得意なほうだった私でも、全生物が持つ物質と言えばDNARNA、それにATPぐらいしか思い付きません。それぐらい無くてはならない物質ということで、また、ごく普通のものであるということでしょうか。

ここまでは良かったのですが、いろいろ調べていて少し怖いフレーズが目に飛び込んで来ました。「ポリアミンは癌を作る」というものです。でも、先に結論を言いますと、これはどうやら「誤解」のようです。

実際にはポリアミンが癌を作るという報告は、世界中どこを探しても存在しないのです。ではなぜ、そのような噂が広まったのか? それは癌細胞が自らポリアミンを作り出すため、ある種のガン患者の尿を調べると特定のポリアミンが増えることと、その特性を生かして、ポリアミンが癌を調べるマーカーとして扱われて来た歴史があることが関係しているようです。

ポリアミンは細胞の成長に欠かせない物質なので、正常細胞にとってだけでなく癌細胞にとっても必要なものです。だから急激に成長する癌細胞は自らがそれを作り出し、環境中にあるポリアミンも吸収して増加します。

つまりは、ある種のポリアミン量が急激に増加した場合は癌の可能性が疑われるので、それを利用して腫瘍マーカーとして使われてきたわけです。正常細胞は急激に成長・増加することはなく、そのため、正常細胞による急激なポリアミン量の増加はまず考えられないからでしょう。

 

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要するに、ポリアミンを投与しても癌になるわけではありません。ただ、癌細胞を持つものにポリアミンを投与するとやはり癌細胞が増えるらしいので、そういう人にはバンビウィンクは向かないかもしれません。

ただ、最後に一つ付け加えておくと、ポリアミンはDNAの突然変異を抑える力が強いので、むしろ癌の発症を抑える作用があるとも推測されています。つまり、癌でない人には癌のリスクが減るかもしれないということです。

ここまで見てきて、皆さんのポリアミンに対する考えはいかがでしょうか? 癌に対するイメージは誤解によるもので、全生物が持つ物質ということもあり、私はそれほどリスキーには感じないのですが。

次回、バンビウィンクの副作用とともに、もう少しポリアミンについて掘り下げてみたいと思います。

 

ポリアミン(つづき)とバンビウィンクの副作用について

 

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